【戸建てを買う】寝室なのに何で「納戸」と書いてある?

【戸建てを買う】寝室なのに何で「納戸」と書いてある? 一戸建て購入

寝室として利用できる部屋に「納戸」と記載のある分譲戸建ての間取り図を観たことがあると思う。これは都市型3階建て戸建てに多い。「寝室なのに何で“納戸”と書いてある?」あなたにシェアしたい。

なぜ、納戸なのか

「私はこの部屋を納戸にする予定はない。」
「しかし、間取り図には“納戸5畳”との記載がある。さらに納戸であるのにクローゼットがある。寝室として使えるの納戸に使わなくてはいけないの?」

寝室利用として十分可能な部屋なのに「納戸」表記の間取りはたくさんある。このケースでは都市型3階建て戸建てに多い。

納戸表記の理由

「建築基準法の採光規定に準ずることができない部屋」
これが理由になる。居室の用途として使用できない部屋にあたる。

居室とは
建築基準法で「寝室」「洋室」「リビングダイニング」等にあたる。長くその部屋にいることが想定される部屋のこと。この部屋では建築基準法に準ずる十分な採光と換気が確保されることが規定される。納戸は居室ではなく採光基準に当てはめなくて良いことになる。

居室条件には建築基準法に定める採光基準(部屋面積の1/7の窓面積が必要)に適合しないといけない。しかし部屋に窓があるだけでは居室にあたらない。
敷地(隣地)境界線から屋根先(軒先)までの距離と屋根先から窓の位置に関係する。それを算定式に当てはめ採光に有効な窓面積とすることができる。

都市型戸建て住宅の計画では採光に不利

  • 3階建て
  • 敷地(隣地)境界線から建物まの距離が狭い。

敷地(土地)に余裕がなく、背の高い3階建ては建築基準法の採光算定には不利な条件になる。
「隣地敷地が駐車場だから1階の部屋でもたくさん日照がある」と思うかもしれないが、これは関係ない。建築基準法の採光に関しては敷地(隣地)境界線を基準として計算をする。

それゆえに都市型3階建ての1階に計画する部屋は納戸表記にすることが多い(部屋が道路に面している時はこの限りではない)

【戸建てを買う】寝室なのに何で「納戸」と書いてある?

建築基準法を審査する際に問題にならないのか。

納戸の大きさに規定はない。それゆえ納戸と記載があればそれで良しとしているのだろう。また、住まい手がどのように利用するのかを問うことはない。言い方を変えると「居室の規定はあるが、これを規制すると都市部の戸建て住宅の計画が成り立たない」ということもあるだろう。それゆえスルーしてくれているとも言える。

経験談

僕が設計事務所に勤めていた20代の頃の話。
建築基準法の審査(建築確認申請)のために役所によく出かけたが、僕の頃はスルーされたことはなかった。役所の審査官から「9㎡もある納戸は認められない、これは居室にあたる」と言われたもんだった。
この対策には「天窓」を用いた。
天窓の採光は敷地(隣地)境界線からの距離には関係がなく、天窓面積の3倍の有効面積とすることができる

屋根に天窓をつけ、天窓の大きさで屋根から1階までの吹き抜け計画する。「吹き抜け」というと聞こえはいいが、縦に長い穴。天窓の管理はしにくく、基準を満たすだけの処置であった。

「納戸」でスルーしてくれるのであれば、これに越したことはない。
採光は居室の室内環境として必要であると考えるが、換気や避難など健康や人命に関わる重要項目とは異なり「スルー」してくれるのだと思う。

あなたが都市型3階建て住宅を検討することがあれば、1階の部屋の表記を気にして観てもらいたい。そして、納戸表記であれば「何で納戸なの」と、営業担当に聞いてみると良いと思う。